欧州宇宙機関(ESA)がなんともロマンを感じられる調査結果を発表した。火星の地表付近に「大量の水」が存在するというのだ。
発見された場所は、火星にある大きな渓谷「マリネリス峡谷」で、その大きさはなんとグランドキャニオンよりも深いらしい。ご存知のとおり、グランドキャニオンはめちゃくちゃデカい!そのグランドキャニオンと比較して全長が10倍、深さは5倍、幅は20倍の規模感だというのだから驚きだ。そこにも宇宙のロマンを感じるのは私だけではないはずだ。
発見したのは2016年に地球を旅立った周回機。欧州宇宙機関(ESA)と宇宙開発を行なっているロシアの国営企業「ロスコスモス」との共同ミッションで打ち上げられた。孤独な5年の旅を経て成果を上げた周回機に、私は最大限「おつかれさまです!」と言ってあげたい。
巨大な渓谷の下に水が存在しており、探査機に搭載された「FREND」と呼ばれる機器によって検出された。 火星の地表下にある水素の分布を調査することができる優れものだ。上記で孤独な旅と言ったが、どうやら友達が一緒に来ていたらしい。よかった!…と一瞬、思ってしまったのだが、よく見るとFRIENDではない!ややこしい。周回器はやはり孤独な旅をしていたようだ。
火星には水があることは数年前から話題に挙がっていたが、氷として固まったまま存在していると報告されていた。理由は火星で発見されているほとんどの水は極地に存在しているため、水の状態ではいられないからである。
今回、水が発見されたマリネリス峡谷は赤道の近くにあるので気温が高い。だから水の状態で発見できたのだろう。色々と書いたが、すべてはこの周回器が2018年から2021年にかけて収集した観測内容から分かったことである。本当に働き者で成果を確実に残すところなど、私も見習いたいくらいだ。
科学誌「イカロス」で今回の発見について詳しく書かれた論文が発表されている。論文の執筆者は、先ほど私がややこしいと言った「FREND」の主任研究員であるイーゴリ・ミトロファノフ氏である。彼曰く、FRENDは豊富に水を蓄えるオアシスを発見できることが強みらしい。地表下を1メートルも透視できるというのだから、本当にテクノロジーの力とはすごいものだ。
今回、火星のマリネリス峡谷には水が存在することが発見された。
2つの観点から、私は今でもワクワクしている。
1つは宇宙へのロマンだ。水がある、生命体がいるかもしれない。そう考えただけで楽しい。本当に宇宙は神秘的で未知の分野だ。もう1つは、この発見はテクノロジーの力が大いに関係しているということ。テクノロジー好きな私は、最新技術が好物である。普段は身近なガジェット系やWebのテクノロジーばかり見ているが、宇宙開発や車などの技術も実は好きなので、今回のニュースは非常にロマンを感じられた。
みなさんも宇宙やテクノロジーに
想いを馳せてみてはいかがだろう。
それでは、また。